指揮科時代も含めて、興味と関心(というか問題意識)が強くあったこの分野ですが、自分独りの勘で当てども無く本をあさり、たとえばデカルトの情念論を開いて半ばで挫折するなど満足に勉強できていませんでした。
ドイツ在住のころから、音楽学者/アートマネージャーの斉藤基史さんが東京で音楽修辞学の勉強会を主宰していることをTwitterなりSNSで拝見していて羨ましく思っていました。
今回、同じように音楽修辞学を学びたいという友人がおり、それをキッカケに思い切って斉藤さんに新しい初歩からのプライベートゼミの開講をお願いできないか問い合わせたところご快諾いただき、ゼミを開催できることとなりました。留学時代からの小さな希望が叶い、嬉しいです。
今日がその初回で、音楽修辞学を本格的に取り上げる前の段階として、修辞学全般の成り立ち、歴史背景について主に学びました。
音楽修辞学というと、(とくに演奏家にとって)おもにフィグーラの技法的な理解に興味が向きやすいのだと思いますが、表出としてのそれだけでなく、それをモチベートするどのような土台が存在するのかということをもっと知らなければ、と思っています。
古い音楽を、いわゆる歴史的情報に基づく演奏という観点でオーセンティックなものとするために知る、という目的に限らず、むしろその思考プロセスを踏まえて自分が現代をどのようにみることができるか、というところまで最終的に掘り下げられるようになりたい、すくなくともそれを試みられるようなフレームワークを身につけたいという思いを新たにしました。
勉強は楽しいですね!